”目と目を見交わすだけでも性関係”
関係性志向
――一般的に言って、男性は性行為そのものを見て興奮し、女性はそれも含めての関係性に惹かれるということがあると思うのですが、それはなぜなんでしょう。
精神科医の斉藤環さんは、女性は関係、男性は所有という欲望の形式を通じて自らを主体化している、と論じています(『関係する女、所有する男』講談社現代新書 2009)。それを踏まえていえば、男性の欲望は対象を所有するという一点に向けて収斂(れん)していくのに対して、女性は物語の時間軸に沿ってその設定や世界観や関係性の絡みあいなどあらゆる「萌え要素」を味わい尽くしながら、いたるところに快楽を感受し持続させていくことができる、ということだと思う。
所有は主体が対象を所有するという関係性が直接的ではっきりしている。男性の快楽は直接的な行為の中の一瞬にしかない、と言うじゃないですか。女性にとっては、直接的な関係、その瞬間だけではなく、むしろそこにいたるまでの関係性がどのように描かれているか、つまり物語が重要なんです。
女であるとはどういうことか【後編】 | 吉澤 夏子 | トイビト - Page 4
路線擬人化者のジェンダーに女性が多いのはそういうことだろうな
路線は見えないし形がないから”所有”しようがない
レールや地図、沿線といった表象をもってしか表現できないものをどうやって”所有”しようというのか
女性が”陥落”しやすいというよりも男性が興味を持ちにくいという方が幾分正しいのだろう
なぜなら車両にも”関係”は存在しているからだ
そして路線擬人化の規模が小さいのは、鉄道というジャンルに興味を持つ女性がそもそも少ないからであろう